Epson ConnectとLINE*アプリを連携!看護師と患者の新しく心地よいコミュニケーション手段とは

*「LINE」はLINE株式会社の商標です。

リモート印刷との出会いはエプソン主催のハッカソン「Epson Hack Trek」

<株式会社OPERe 代表取締役 澤田 優香さん>
<株式会社OPERe 代表取締役 澤田 優香さん>

株式会社OPERe(代表取締役 澤田 優香さん)は、ITツールを活用して医療従事者の業務改善などの取り組みを支援している会社です。現在は、主に新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療機関に、LINEアプリを活用した「ちょいリク」*という院内コミュニケーションツールを提供しています。「ちょいリク」はもともと、病院に入院中の患者さんが、ナースコールを呼ぶほどには緊急でない用件を看護師に伝えたいときに、「ナースコール」と「対面」の中間くらいの位置づけにあるコミュニケーション手段があれば、看護師にとっては業務の改善に、そして患者さんにとっても利便性の向上に繋がるだろうという発想から誕生しました。当初は一般病棟で広く活用されることを想定していました。しかし新型コロナウイルスの感染が拡大していく中で、コロナ患者の受け入れ病院から打診があり、病室に入らなくてもコロナ患者とコミュニケーションが取れる便利なツールとしてご利用いただく様になりました。

今回、当社がこのサービスに、Epson Connect APIを組み込もうと考えたきっかけは、その病院が「ちょいリク」を活用して、隔離状態にあるコロナ患者のために行っていた買い物代行サービスが、次第に看護師の業務を圧迫しはじめたことにありました。コロナ病棟では気づけば一日のうち90分近くも買い物代行に時間をとられていたのです。病院側はすぐに改善策として、クラークや看護助手、会計課なども加えて業務の分担を進めようとしましたが、それだと今度は、モノ・カネ・情報の連携が煩雑になり、かえって混乱を招きかねないと思いました。

そこでちょいリクの開発者である小川博教さん(家族型ロボット「LOVOT[らぼっと]」の開発を手掛けるGROOVE X株式会社のソフトウェアエンジニアでLINE API Expertとしても知られている方です)に何か良い解決策はないかと相談したところ、エプソンさん主催のハッカソン「Epson Hack Trek」で存在を知ったというEpson Connect APIを紹介してくれたんです。「ちょいリクで入力した注文が、コンビニに設置したプリンターへ自動的に送られ、そこから依頼書が印刷される仕組みを作ったらよいのでは…」という提案に、私も「それだ!」と思わず膝を打ち、すぐに実装に取り掛かってもらいました。

*「ちょいリク」は株式会社OPEReが現在商標登録中です。

<GROOVE X株式会社 小川 博教さん>
<GROOVE X株式会社 小川 博教さん>

Epson Connectのリモート印刷が、コロナで業務増の看護師を救う

最初にEpson Connectとプリンターの話を聞いたときから、私は「紙を印刷する」という手段が、病院にすごく相性の良いものだと感じていました。小川さんも「新しいことを覚える必要もなく誰もが簡単に使えること、そしてコストをかけずすぐに導入できることを第一に考えた」と仰っていましたが、私もまったく同意見でした。病院ではデジタル機器の扱いに慣れていない高齢の方たちもまだたくさん働いていますし、収益構造上、ITに予算をつけづらいという事情もあります。それに買い物の注文内容を紙で残すことができれば、後々、「言った言わない」のトラブルを回避するのにも役立つだろうと考えました。

導入効果はというと、90分近くかかっていた看護師の業務が15分程度にまで短縮されたほか、アンケートでも80%以上の看護師が効率化を実感し、また、97%の患者さんがサービスに好意的な意見を持ってくれていることがわかりました。また、小川さんが「Epson Hack Trek」に参加した時にできた繋がりで、エプソンさんには今回、API以外にも設置するプリンターまで提供いただきました。コンパクトサイズのプリンターで、病院内に設置してもまったく圧迫感がなく、とても助かりました。しかもエコタンク(大容量インク)を搭載したモデルだったので現場の人たちからはインク交換がほとんど不要で有り難いという声もあがっていました。いろいろと手配してくださったエプソンさんも開発をしてくれた小川さんもとにかく作業がスピーディで、このやり方で進めようと決めてからEpson Connect APIという画期的な連携手段もあったため約2週間後には、ほぼ運用を開始できる状態になっていたのも驚きです。運用開始直後は、肌着のサイズや飲み物の容量の指定がないなど曖昧な注文もそれなりにあって、クラークや看護助手がその確認作業に時間をとられるということもありましたが、プリントのログを分析し、新たに「買い物メニュー表」を作成した後は、そのような問題も解決されました。これもエプソンさんのプリンターを設置したからこそ達成できた業務改善の一つです。

<依頼書サンプル>
<依頼書サンプル>

エプソンのリモート印刷を使った伝達が院内コミュニケーションの新常識に

今、改めて思うのは、エプソンさんのリモート印刷機能を活用した連携にしろLINEアプリを使ったコミュニケーションにしろ、従来の看護の考え方からすると、かなり常識の枠を外れたソリューションだったということです。というのも、「ナースコールが鳴ったらすぐに看護師が駆けつける」というのが、私達看護師にとっては当たり前であったからです。しかし、治療がますます複雑化し、患者さんが求めるサービスレベルも高度化する中で、現場のタスクは膨れ上がっていて、これまで通りのやり方を続けていくのは、もうかなり難しい状況にあると感じていました。それを私自身が思い浮かべていたよりもすごくいい形でサービスに落とし込んでくれた小川さんと、オープンイノベーションを推進され、APIからプリンターまで快く提供してくれたエプソンさんの協力には本当に感謝しています。そして今回、コロナ禍であったことが追い風になったとは思いますが、このような型破りな手段を現場の看護師さん、患者さんに肯定的に受け入れてもらえたことは私にとって大きな励みになりました。現場の看護師たちが「こういう手段も、ありなんだね」と言ってくれたこと、目的を達成するための手段に多様性が見え始め、今までとは違う価値観が少しずつ広がっていることを前向きに受け止め、より良い手段を共に生み出していきたいと思っています。

エプソンのリモート印刷を使った伝達が院内コミュニケーションの新常識に

※Epson Connectについては、http://www.epsonconnect.com/よりご覧ください。