コロナ禍で生まれたニーズに即座に対応、旅カフェをコワーキングスペースに
株式会社via-at(以下via-at)とセイコーエプソン株式会社(以下エプソン)の共創によるプリンター課金サービス。本サービスの導入を決定いただいたROUTE CAFE AND THINGSを運営する、株式会社イーストの市川光久様と佐藤里香様にインタビューを実施。コワーキングスペース運営のきっかけや、今後の展望についてお伺いしました。
■市川 光久様
株式会社イースト BD本部 マネージャー
■佐藤 里香様
株式会社イースト
ROUTE CAFE AND THINGS 店長
※本文中は敬称略
新型コロナウイルスの影響で困難になった旅カフェとしての営業
市川:
「ROUTE CAFE AND THINGS」は、東京駅のすぐそばにあるカフェラウンジです。「多くの人が訪れ、また旅立つ場所でもある東京駅」という立地を活かし、2019年10月に、旅をテーマにしたカフェラウンジとしてオープンしました。ところが、ようやく軌道に乗り始めたというタイミングで、新型コロナウイルスが流行し、利用客が激減。オープン早々に店のコンセプトや店舗運営を見直さなければならなくなりました。そんな中、私たちが新たに注目したのが、コロナ禍で在宅勤務になった丸の内界隈のオフィスワーカーの方たちでした。自宅以外でテレワークができる場所を求めている人が少なくないと聞き、「カフェをコワーキングスペースとして作り変えるというのはどうだろう」という話になりました。調べてみると、コワーキング専用プラットフォームを提供するvia-atさんという会社があると知り、さっそく相談してみることにしました。
via-atとエプソンが共創、快適なワークスペース作りに向けた課題解決
佐藤:
via-atさんに話を聞いてみると、専用端末を設置するだけで簡単にコワーキングスペースとしての営業をはじめられることがわかりました。via-atさんのサービスは、月額契約ではなくドロップインで利用できるのも特徴で、お客様にはこれが好評だったようです。しかしサービス開始当初は、コワーキングスペースと言いつつ、電源コンセントとWi-Fi以外にそれらしいものは用意できていない状況で、お客様より「この店にプリンターはないの?」というお声を受けることが多々ありました。そんな中、via-atさんとエプソンさんの共創による課金システムを実装予定の複合機「PX-M6712FT/PX-M6711FT(エコタンク搭載モデル)」を設置していただきました。
在宅勤務で行き詰まったときにフラッと立ち寄れるコワーキングスペースを探されていた方々が、「東京駅を眺めながらゆったり仕事ができて快適」「家で仕事をするよりメリハリがつけられる」などとこの場所を気に入ってくださっています。徐々にですが、リピートしてくださる方々も増えてきて、快適なワークスペースになりつつあると感じています。私自身は、もともとカフェの運営が念頭にあったせいか、オフィスワーカーの方々が満足するワークスペースというものがなかなかうまく思い描けていませんでした。そのため、コワーキングスペースづくりのプロであるvia-atさん、そしてオフィスの必需品であるプリンターを扱うエプソンさんが、サービスの提供に留まらず、常に私たちの立場に立って、一緒に困りごとを解決するためのアイデアを考えてくださることが何よりも有り難く、そして心強く感じています。
市川:
私たちとしても、今回こうしてvia-atさんやエプソンさんとご一緒させていただいて、店舗にどれだけ付加価値がつけられるかを考えるという観点からも、とても貴重な経験になっています。お店の集客を上げるためにはそうした考え方が重要だと思うので、これからもこの場所はある種ラボラトリーのようなつもりで、新しいことにどんどん挑戦していきたいですね。
佐藤:
あとは最近、ワークスペースを目当てに来られるお客様の中にも、店に置いてある旅の本を手にとってくださる方が増えてきました。それはオープン時にイメージしていた風景とは少し違うものの、それほど遠く離れているとも思いません。気分転換としてでも、旅に想いを馳せている人の姿を見られるのはやはり嬉しく、改めてコワーキングスペースを始めてよかったと感じています。
出会いや交流がもたらす新しい価値の創造
市川:
もともと旅をコンセプトにしていたROUTE CAFE AND THINGSでは、出会いも重要なテーマの一つでした。といってもその頃考えていたのは、お客様同士の出会いや、我々とお客様との出会いについてだったのですが、今回のコロナ禍では、私たち自身がこれまでにない出会いをたくさん経験することになりました。via-atさんやエプソンさんとの出会いもまさにその一つです。このような状況にならなかったら、コワーキングスペースを作るとはきっと考えることなく、おそらく出会うことが出来なかった方々だと思うのです。それが今回、一緒にお仕事できたことは本当に価値のあることです。コロナの影響は私たちにとって決して小さなものではありませんでしたが、おかげで嬉しい出会いがたくさんあり、得られたものは大きかったと感じています。
佐藤:
今後の展望というわけではないのですが、今はこの場所で新しいコミュニティのようなものが生まれたら面白いだろうなと考えています。この界隈は、大企業も多いですが、実はスタートアップも多く、もっと出会いや交流の可能性が潜んでいると思っています。もともとは知らない者同士で、普通に生活していたら出会う機会がなかったような人々が、ROUTE CAFE AND THINGSで繋がり、そこから新しいビジネスが生まれたりしたら、素敵だろうなと想像しています。
取材実施日:2021年3月
記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、すべてインタビュー時点のものです