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飲食

遠隔プリントでローカルニュースを発行!アナログでデジタルな地域振興の実証実験

こちらの記事の概要
  • 飲食店がコロナ禍を乗り越え、お客様への満足度をさらに向上させると共に地域振興を目指して新しいコミュニケーション手段の取り組みを行った
  • 店舗設置のプリンターに、地域とお店の最新情報を遠隔送信することで、お客様へ店舗オリジナルの週刊地域紙を提供
  • アナログとデジタルの融合により、確実に手元と記憶に残る情報提供で、地域への流入人口増加につながる可能性が見えた

「セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)」は、「中央区民マガジン(以下、マガジン)」と東京都中央区内の飲食店を舞台に地域情報とデジタル技術を活用した遠隔プリントを組み合わせ、地域振興を目的とした実証実験を行いました。エプソンは、実証実験の企画・運営や機材及び技術の提供を行い、マガジンは、地域ニュースやイベント情報の提供および「店舗オリジナル地域紙(以下、地域紙)」のデータ生成を行いました。

*店舗オリジナル地域紙:その店舗限定の情報や新鮮な地域イベント、地域情報を店舗プリンターで出力した情報紙

■大野 由紀 様(写真中央)
実証実験店舗:プラナバルカ
(株式会社Dining Advances Development 取締役)


■山下 信治 様(写真右)
地域紙制作:中央区民マガジン 編集長


■山内 正巳(写真左)
企画・運営:セイコーエプソン株式会社 P事業戦略推進部


お客様の待ち時間に地域情報満載の地域紙を配布

コロナ禍を経て、飲食店はお客様とのより密接なコミュニケーション方法や店舗を支えてくださる地域の皆様への貢献方法を課題として抱えていました。この解決策として、料理の注文から配膳までのお客様の待ち時間に新鮮な地域情報と飲食店独自の最新情報を店舗のプリンターで印刷した「地域紙」を配布することがひとつの方法ではないかと考えました。

今回の狙いは以下の3つ

  1. リアルタイム性を持った地域情報提供による地域振興とお店の最新情報の提供
  2. 飲食店の来店率のアップ
  3. ランチの待ち時間のユーザー満足度の向上

実証実験に協力してくださったのは「酒場ダイナー プチバトー」(日本橋小舟町)、「プラナバルカ」(日本橋蛎殻町)の2店舗です。前半、後半に分けてそれぞれの店舗で実施しました。
どちらもランチタイムは近隣のワーカーや住民が賑わう繁盛店です。

実施内容

店舗でのプリンター複合機設置例

前半のプチバトーでは表面がお店のPR、裏面が地域情報というハガキサイズのカード形式で「地域紙」を作成。ランチタイムにはディナーの、ディナータイムにはランチのPRを掲載し、昼夜のお客を回遊させる取り組みでした。

*ハガキサイズのカード配布やA4サイズのクリアファイル設置などを実施

実証実験店舗:プチバトー店内
プチバトー配布例

後半のプラナバルカは、新聞のようなテイストで「地域紙」を作成。地域ニュースやイベント情報にお店からのお知らせを織り交ぜる「地域新聞」の構成を採用しました。

*エプソンの「PaperLab(ペーパーラボ)」で再生したA6サイズ用紙の印刷物を配布

■プラナバルカ 大野 由紀 様(写真中央)
■中央区民マガジン 山下 信治 様(写真右)
■セイコーエプソン株式会社 山内 正巳(写真左)
プラナバルカ配布例

それぞれ約4週間ずつ合計8週間で合計約1,000枚の「地域紙」を配布しました。

アナログな「地域紙」に隠されたDXとSDGsがあった

この実証実験ではエプソンの「Epson Connect」を用い、遠隔操作により媒体作成を行いました。

毎日、必要量を印刷することで紙媒体でありながら在庫を持たず、オンデマンドで鮮度の高い地域ニュースを提供し、お読みいただいた方には「知らなかったイベントを知ることが出来た」、「街の豆知識を得ることが出来た」、「お得な情報や街の情報を知ることが出来た」等良い評価をいただきました。

今後、「Epson Connect」に対応するアプリを開発することで、お客様の属性に合わせてイベントやニュースを選択し、都度カスタマイズした「地域紙」を提供するプランも現実味を帯びてきます。

また、プラナバルカの「地域新聞」では、新聞らしさを強調するためにエプソンの紙再生システム「PaperLab(ペーパーラボ)」にて作成した用紙を使用。独特の風合いが藁半紙や熨斗紙(のし紙)のような趣を与え、こちらもまた好評の一因だったと思われます。

紙媒体を配るというアナログな手法の中に最先端の技術を使ったDX、および環境に配慮したSDGsの精神が隠されていました。

エプソン紙再生システム
「PaperLab(ペーパーラボ)」の再生紙を活用

可能性を感じた「地域紙」の発展性

今回の実証実験に関して参加した2店舗からそれぞれコメントを頂きました。

プチバトー様

「新しい取り組みに参加させてもらってありがとうございました。話のきっかけになるツールなのでお客様とコミュニケーションをとるハードルが下がります。お店のPRよりもっと地域全体を盛り上げる方向性に特化したほうが、最終的に良い結果に繋がると感じました。」

プラナバルカ様

「マニアックな地域情報やイベント情報に加えおすすめメニューなどバランスの良いコンテンツだったと思います。待ち時間は一人のお客様はスマホ、複数のお客さまは会話に注力しています。混雑時のスタッフの負担も考えると会計時など帰り際にお渡しする形も試したかったです。」

■鈴木 紀人 様
実証実験店舗:プラナバルカ

コメントにあった通り、媒体を配布する副産物としてお店とお客様に自然なコミュニケーションが発生するといった点は新しい気づきになりました。この施策によるコミュニケーションをきっかけに、実際に地域イベントへ足を運ばれたり、飲食店のおすすめを目当てに改めて来店されたりすることが期待されます。

中央区民マガジン様のコメント:

今回は「地域紙」の認知も浸透しはじめた段階で実証期間が終了してしまったこともあり、ある程度の長いスパンと地域内で連携した実験を行うことで違った効果がでる可能性も強く感じました。

3月、4月と飲食店の客足も以前と遜色ないレベルに復活したとの報告もあり、消費者マインドが温まってきた中で、今回、効果的に検証できなかった本モデルによる飲食店および地域に対する貢献を再検証していきたいと思います。

中央区民マガジン https://chuo9.tokyo/

取材実施日:2023年3月

記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、すべて実施時点のものです

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