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米国ハッカソン Epson Innovation Challenge #1 - 「創造と情熱の1週間」
Epson Connect APIを活用したクラウド印刷とスキャンで、社会に役立つソリューションを創出

こちらの記事の概要
  • エプソン主催の米国ハッカソン「Epson Innovation Challenge」でクラウドサービス 「Epson Connect」 をアピール
  • イベントでは人々のコミュニケーションやコラボレーションを強化するインクルーシブ・テクノロジー創出に焦点をあてた
  • プリンターやスキャナーのこれまでにない新しい使い方を創出した入賞チームの提案ソリューションをご紹介

Epson America, Inc. (以下、EAI) とFoundry 415 Innovation Group (ハッカソンの運営会社) は、エプソンにとって初めての米国開催となるハッカソン 「Epson Innovation Challenge(エプソン イノベーション チャレンジ)」 を開催しました。2023年4月13日から20日までの一週間、サンフランシスコ、サンノゼ、およびリモートで実施されたハッカソンの様子をお届けします。

ハッカソン参加者は、エプソンのプリンターやスキャナーに対するお客様ニーズに基づき、コミュニケーション、コラボレーション、およびユーザー体験の向上を目的としたソリューションの開発に挑戦しました。参加者には、Epson Connect APIを活用し、社会に役立つ支援型の技術によって下記のような成果を1つ以上実現するアイデアの創出が求められました。

  • 情報共有の方法を簡略化し、連携を強化する

  • エプソンプリンターとスキャナーの使い勝手と機能性を向上する

  • 印刷されたコンテンツをすべての人が制約なく利用できるよう平等な機会を創出する

2019年からエプソンは、日本開催のハッカソン 「HackTrek」 や、新規技術・トレンド、最先端技術を有するスタートアップ企業とのグローバル戦略プログラムなどを通じてスタートアップコミュニティとの積極的な関わりを築いてきました。

セイコーエプソン プリンティングソリューションズ事業本部長の𠮷田 潤吉は、イベント冒頭にこう述べました。「エプソンは精密機器メーカーとして知られており、数千万台以上のプリンターとスキャナーを150を超える国と地域で販売する業界のリーダーです。今回のイベントの目的は、斬新なアイデアを持つパートナーの皆さまに、Epson Connect APIを活用したコミュニケーションやコラボレーション、ユーザー体験を開発・提案いただき、エプソンのプリンターやスキャナーとともに魅力的なプラットフォーム構築を目指すものです。」

Epson Innovation Challenge事務局は、イベントで課された条件を満たすクリエイティブなアイデアを提出した8チームを、ハッカソン参加者として選出しました。各チームには、エプソンのエコタンク搭載複合機が提供され、チームはEpson Connect APIを組み込んだMVP(Minimum Viable Product、顧客に価値を提供できる最小限のプロダクト)のデモを1週間で開発します。

イベント期間中、参加者の皆さんはFoundry 415主催によるワークショップに参加することもできました。例えば、アイデアの検証に役立つ 「短期間で実証実験を企画・実行する方法」 やデモデイの発表の準備に役立つ 「効果的なプレゼン資料の作り方」 などの講座が用意されました。また、エプソンのデジタルイノベーションチーム講師陣に相談して、Epson Connect APIを自身の開発品にスムーズに組み込むためのアドバイスを得る機会も与えられました。

デモデイは、2023年4月20日にサンフランシスコにあるコワーキングスペースGalvanizeで行われ、全米から集まった参加者が会場で、またはリモートで発表を行いました。Foundry 415 Innovation GroupのCEOであるSandra Millerさんが発表の進行役を務め、著名な審査員の皆さんがその場で感想を述べました。

Epson Innovation Challenge #1 審査員の方々

審査員の皆さんは、参加者の開発したプロダクトの独創性と品質に大変感銘を受け、社会に良い変化をもたらす一助となるソリューションの今後の展開に、高い関心を寄せていました。EAIの製品企画部長ニルス・マッデンは、次のように話しました。「開発された支援型技術はどれも斬新で、プリンターやスキャナーの新たな使い方のアイデアに大変驚かされました。」

今回のイベントでは、発話障がいや神経変性疾患のあるユーザーのニーズに対応する、さまざまなソリューションが開発されました。またデモでは、エプソンのクラウド印刷技術と組み合わせることで、高齢者や神経発達障がいのある学生コミュニティなど、これまで支えが足りていなかったユーザーグループに、これらのソリューションがどのように役立つのかが紹介されました。

審査の結果、入賞した上位3チームにはエプソンからプロジェクター各1台(EF-12)と賞金が授与されました。
優勝: 5,000ドル、第2位: 2,000ドル、第3位: 1,000ドル

優勝

Voiceitt - 発話に不自由さを感じるユーザー向けに音声補助システムを提供する音声認識ソフトウェアを展開

MVPのアイデア:
Voiceittのモバイルアプリを使用した、発話に不自由さを感じるユーザー向けの音声対応印刷

  • 主に音声対応印刷に応用。携帯電話を介してEpson Connectとの音声対話を可能にするVoiceittアプリのデモを発表。

  • 発話に不自由さを感じるユーザーはVoiceittのモバイルアプリからプリンターにコマンドを送信。

  • 提案ソリューションは、Epson Connect APIとモバイルアプリを統合することで、発話や運動障がいのある方が音声対応の印刷やスキャンにアクセスすることを可能にしました。

Voiceitt共同創業者であるSarah Smollyさんは、次のように話しました。「Epson Innovation Challengeに参加することで、Voiceittはエプソンチームと直接関わる貴重な機会を得ることができました。Voiceittの音声認識ソフトウェアは、発話に不自由さを感じる皆さんが音声AIシステムにアクセスするための機能を提供します。私たちはこのイベントで、VoiceittのモバイルアプリとEpson Connect APIを組み合わせて音声対応の印刷とスキャンを可能にし、特に発話や運動に障がいのある方たちが職場で活躍できるようなソリューションを開発しました。このソリューションによって、社会に有意義なコラボレーションが生まれると思います。私たちはこれからも、Voiceittの最先端技術をエプソンのプリンティングやイメージングの専門知識に組み合わせることで、よりインクルーシブな職場環境を構築する方法を追求していきます。」

第2位

Fly Parrots - 神経変性疾患や神経疾患の方たちを支えるスマートデバイスを提供

MVPのアイデア:
AIに基づく支援型ロボットの活用により、遠隔医療インターフェースを介して医師からの医療報告書を直接印刷

  • AIに基づく支援型ロボットとEpson Connect APIの統合を模索。

  • 対象となる利用シーンは、重度の運動機能障がい(脳性麻痺、筋ジストロフィー、多発性硬化症など) のある方たちが、遠隔医療インターフェースを介して医師からの医療報告書を直接印刷できるようにすること。

  • 例えば、ユーザーが遠隔医療相談サービスを受ける際、Epson Connect を介して医師からの医療報告書を印刷およびスキャンできるようになります。

第3位

Key2Enable - 障がいのある人もデジタルテクノロジーを自由に活用できる多機能キーボードを展開

MVPのアイデア:
ジャイロスコープ搭載の頭部運動ナビゲーション装置を使用したプリンターのパネル操作

  • USBプラグインタイプのBLE(Bluetooth Low Energy)センサーを開発。このセンサーをジャイロスコープ搭載の頭部運動ナビゲーション装置と接続し、PCやノートパソコンの操作を可能にしました。

  • ワイヤレス接続を確立し、ユーザーが手を使わずにプリンターのパネルを操作できるようにナビゲートします。障がいがある皆さんにとって、より受け入れやすく使い勝手の良い印刷体験を提供します。

  • 直感的に使用でき、一度プリンターに組込めば、その後は最小限の調整だけで済みます。

「私たちKey2enableは、障がいのある皆さんが技術を利用しやすくなるために日々努力しています」と、Key2enableの共同創業者であるJose Rubingerさんは話します。「私たちのチームは、Epson Innovation Challengeで最新の技術を発表しました。この技術は、Colibriというジャイロスコープを搭載したBluetoothセンサーで、装置は眼鏡のフレームに取り付けて使用します。首から下を動かせない方が、頭の動きや顔のジェスチャーでPC、タブレット、あるいはスマートフォンを操作できるようになります。この技術により、ユーザーはエプソンのプリンターやスキャナーのメニューに表示された機能を簡単に制御できます。」

「このハッカソンシリーズは、開発者コミュニティでEpson Connectクラウドサービスの認知度を高め、わずか1週間でどう生活を豊かにできるかをアピールすることに長けたイベントであると確信しています。」と、EAIのデジタルイノベーション部長Jack Riegerは話します。「一つの良い例は、支援型の音声対応印刷です。米国言語聴覚協会によれば、米国には言語障がいのある方が約750万人います。この中には、吃音や失行症、構音障がいなど、さまざまな方たちが含まれています。Voiceittなどの音声支援システムを活用したソリューションを提供することで、より良い社会の構築に役立つと思います。」

2023年7月に開催されるEpson Innovation Challenge #2への期待が高まります。このイベントは、クリエイティブな開発者やチームが自身のスキルを披露し、社会課題に対する革新的なソリューションを開発するまたとない機会です。第2回となるイベントでは、Epson Connect APIを活用して、単なる印刷やスキャンの枠を超えたソリューションの創出に着目していきます。エプソンはこれからも、スキャニング、データ処理、印刷をクリエイティブに組み合わせて、社会課題解決に向けたソリューションを探求していきます。

投稿者: エプソンならびにFoundry 415 Innovation Group

記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、すべてインタビュー時点のものです

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